Forguncyでアプリを作っていると、最初は簡単だった構成も、気づけば複雑になってくるもの。
「この計算式、なんでこうしたんだっけ…?」
「誰がこのページ作ったの?」「どこを直したら影響でるの?」そんなときに役立つのが、Forguncyの「コメント機能」です。
この記事では、Forguncyを使い始めたばかりの方に向けて、コメントの基本的な書き方と、実務での活用ポイントを紹介します。
このページでは以下のことがわかります!
- 「これ、なんでこうしてるんだっけ?」と迷わないためのコメントの残し方
- コメントを書くときに意識したいポイント(誰のために、どんな情報を残すか)
このページの想定読者
- チームでForguncy開発をしていて、「ちょっとした意図」が伝わらず困った経験がある人
- 「この設定なんでこうなってるの?」と未来の自分に問うたことがある人
- ノーコードでも設計や保守をきちんと考えて開発したい人
コメントの書き方:3つのコツ
1.「なぜ」この処理をしているかを書く
「何をしているか」よりも、「なぜやっているか」を書く方が、後から見たときに役立ちます。
例)
×「ボタン押下時に変数を設定」
〇「ログイン後、初回アクセス時のみユーザー情報を初期化」
× 「受注日を設定」
〇 「新規登録時は、現在日付で受注日を自動設定(手入力の手間を減らす)」
2.短く、わかりやすく
長々と説明を書く必要はありません。
1文でOK。「~のため」「~の回避用」など目的が伝わると◎。
例)
「更新後に一覧へ戻るための遷移処理」
「管理者のみボタンを表示するための判定」
「未入力防止のため、初期値をセット」
「初回表示時のみ、一覧にフィルターをかけるため」
3.必要なところにだけ書く
Forguncyにはあらゆるところにコメントを残す機能がありますが、すべて使う必要はありません。
逆にあえてまとめて書いたほうが読みやすいこともあります。
目安としては、「ちょっと考えないと理解できなさそうな箇所」やボタンが配置されているセルやサーバーサイドコマンドの説明などに記載するのがすっきりします。
「説明」入力用テンプレート
サーバーサイドコマンドや再利用コマンドには、「説明」という項目でコメントが残せるようになっています。
どちらも汎用的な処理を用意して、使いまわすことが多い機能ですので、利用者が理解して使えるようにする必要があります。
そんなときに適切なコメントを用意しているとチーム開発が円滑に進みます。
説明テンプレート)
目的:
◯◯のためのデータ取得処理。パラメーター:
- customerId:ログインユーザーのIDを設定
- fromDate / toDate:YYYY/MM/DD形式
戻り値:
- 注文リスト(OrderId, Date, Amount)
注意事項:
- 最大1,000件まで想定。超えると処理時間が増加。
- 月次処理と同時実行しないこと(デッドロックの可能性)
履歴:
YYYY/MM/DD 新規作成(担当:○○)
解説
① コマンドの目的(何をしているのか)
例:
「受注一覧画面で、指定された顧客IDの注文データを取得する」
「定期実行バッチ用。ステータス更新処理を一括で実行」
→ これは最低限。処理内容をざっくりまとめておく。
② 前提条件・パラメーターの想定
例:
「パラメータ 'CustomerId' は事前にログインユーザーのIDがセットされている必要がある」
「引数 'FromDate' 'ToDate' はYYYY/MM/DD形式」
→ 入力に何か制限がある/前提があるなら明記。
間違った入力が来ると処理が失敗するケースに備える。
③ 戻り値の概要
例:
「注文情報(OrderId, OrderDate, Amount)を含むテーブルを返す」
「'success' or 'error' の文字列を返却」
→ 使う側が受け取ったデータをどう使えばいいか理解しやすくなる。
④ 注意点・制限事項
例:
「データ件数が1,000件を超えるとパフォーマンスに影響あり」
「月次処理と同時に実行するとデッドロックの可能性あり」
→ 後から不具合が起きたときの原因特定がラクになる。
⑤ 修正履歴・バージョン情報(必要に応じて)
例:
「2025/06/10 パフォーマンス改善のためSQL修正(開発:○○)」
「v2対応に伴い、不要なパラメータを削除」
→ 変更履歴が追えるようにすると、保守性が上がる。
特にチームで開発しているときに有効。
まとめ
コメントはただのメモではなく、他人に引き継ぐ前提で書くのがベストです。
是非この機会に使ってみてはいかがでしょうか!